イジワルするのはキミ限定*
いつも私が見ている水沢くんは、にこにこ爽やかで。
こんな無表情なのは、見たことない。
もしかしてこの人は水沢くんじゃない?
水沢くんのソックリさんとか。
世界には自分と似た人が3人いるって話、あるもんね。
……って、そんなわけない。
目の前にいるのはまぎれもなく水沢くんだ。
「み、水沢くん?」
「あのさ、」
「は、はい!」
水沢くんに話を振られて、思いきり大きな声を出してしまう始末。
なにを言われるのだろうか……。
心臓バクバクで、今にも飛び出しそうな勢いで水沢くんの言葉を待った。