イジワルするのはキミ限定*


『位置について……よーい、ドン!!』



先生の声で一斉にみんなが走って行く。



うわぁ…緊張する。



「柚、足は結んである方からね?大丈夫?」



「うん!バッチリ!」



最後にサアヤちゃんと最初に出す足を確認して。



そして次が私達のスタートとなった。



『位置について……よーい、ドン!!』



ピストルの音が耳に届いて、私達は足を踏み出した。



練習したときみたいにサアヤちゃんと掛け声を合わせて前に進んで行く。



……よし、このカーブを曲がれば次の人にバトンが渡せる。



2人3脚で走る距離はそんなに長くはなくて意外と短いものだった。



そしてカーブにさしかかったとき。



「わ……っ!」



隣を走るサアヤちゃんから短い悲鳴が聞こえたと思ったら私の体は地面に倒れた。



< 102 / 350 >

この作品をシェア

pagetop