イジワルするのはキミ限定*
私達がバトンを渡したときは5位だったけど、
そのあとの人たちが挽回してくれて、最終結果は3位となった。
よかった……。
ホッとするものの、足がさきほどよりもズキズキと痛む。
保健室行こうかな…。
「サアヤちゃん、私ちょっと……」
“保健室行ってくる”という言葉はいきなり体が浮いたため驚きのあまり、出なかった。
「えっ……」
とつぜん浮いた体。
なんで、としか言いようがないが、顔を少し上に向けたとたんに少し不機嫌な顔をした水沢くんが目に入った。
「キャーー!水沢くんが野上さんをお姫様抱っこしてる!」
「野上さんうらやましい!!」
周りにいた女子のみなさんからは悲鳴のようなそんな声が飛び交う。
そんななか、水沢くんは無表情でただただ私を見下ろしていた。