イジワルするのはキミ限定*


女子の皆さんからの視線が、いたいです……。



「柚子様、おカバンお持ちしますよ」



そんな私の気持ちも知らずに、橘さんは笑顔を向けながらそう言った。



「だ、だいじょうぶですよ……。カバンくらい、自分で持てますっ」



「そういうわけにはいきませんよ。さぁ」



ひょいっとカバンを取られ、橘さんに車に乗るよう促された。



その光景を見ていた女子たちが「きゃあーー!!」と騒ぎ立てる。



そんな女子たちを私は車の窓越しに見ながら、車は発進したのだった。



だれも、私だって気づかなければいいな……。



私って、あまり目立たないほうだから気付かれてないと信じたい。



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