イジワルするのはキミ限定*
「だいじょうぶです。佳人様に、もし自分が寝ていても柚子様は入れるようにと伝えられておりますので。柚様、どうぞ中に」
「い、いいんですか……?」
「はい。部屋のカギはあいているので、入ってだいじょうぶですよ。それでは、私は他に用があるのでこれで。なにかあったら、内線の1番でお呼びください」
「わ、わかりました……」
最後に橘さんはニコリとほほ笑んで、私の前から去って行った。
……さてさて、どうしましょうか。
橘さんがいなくなってしまった今、私はひとりで水沢くんの部屋に入らなくちゃならない。