イジワルするのはキミ限定*


私は意を決して、扉に手をかけた。



ーーガチャッ……



ゆっくり、扉の音で水沢くんを起こさないように静かに扉を開けた。



「お、お邪魔します……」



ーーシーン……



中にひょこっと入ってそうつぶやくものの、声は返ってこない。



代わりに、ベッドのほうから規則正しい寝息が聞こえてきた。



おそるおそるベッドに近づいてみると、ベッドには額にうっすらと汗を浮かべ、少し息苦しそうにして寝ている水沢くんの姿があった。



顔赤い……。



だいじょうぶかな……。



いつもは常に余裕の笑みを浮かべている水沢くんが、今はこんなに弱っている。



あ、汗ふいてあげたほうがいいかな……。



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