イジワルするのはキミ限定*
「ほんとに大丈夫?痛くない?」
「うん、だいじょうぶだよ。シップも念のため貼ってるだけで、大したことないから」
ニコッと笑顔で答えると、杏花ちゃんは安心した表情になった。
「それならよかったぁ……。じゃあ、あたしは教室戻るね。なにかあったら、なんでも言って!」
「わかった。ありがとう、杏花ちゃん」
手を振りながら教室を後にした杏花ちゃんに、私も手を振り返した。
杏花ちゃんの姿も見えなくなり、自分の席につこうと、イスを引いたとき……。
「野上さん!」
「……は、はい?」
後ろから女子の声が聞こえてきて、私は振り返った。
振り返った私は、そこにいた女子の人数にギョッとする。