イジワルするのはキミ限定*


え、え……?



私の目の前に立ちはだかる壁のように、ズラリと女子たちが立っていた。



私のクラスの女子は全員いて、その中には他クラスの女子も何人か混じっている。



な、なんだ、この数……。



女子たちに圧倒されて、思わず後ずさりしそうになった。



「え、えっと……」



「野上さん、昨日、この子が彼氏と見たって言うんだけど」



「み、見た……?」



同じクラスの三上さんが、坂井さんに一度目を配り、そう言う。



見たって、なにを……?




「あたし、昨日彼氏と学校近くのファミレスに行ったの。それで、少ししたらなんかザワザワしはじめて。……それで、気になって人が集まってるところに行ってみたら、み、水沢くんが野上さんの手を引いて奥の方に行くの、あたし見たの!」



すると、坂井さんは私を見つめながらハッキリと言った。



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