イジワルするのはキミ限定*
ピシャン、とドアが閉まって、空き教室にひとり残された。
静かになった空き教室。
……終わっちゃった、んだ。
なにもかもがいきなりすぎて、頭があまり追いついていかないけど……もう明日から水沢くんから命令を受けることはないってことは、理解した。
もう、水沢くんの分のお弁当を作ることもない。
ラブレターのお返事の代筆をすることもない。
……水沢くんと、必要以外話すことも、ないんだ。
ほんの2ヶ月くらい前はそれが当たり前だったのに。
水沢くんと関わり始めたころは、早く終わってくれないかな、って思ってたのに……。
なんで今は、こんなに悲しいんだろう。
胸にポッカリと穴が空いたみたいで、スースーする。
水沢くんと過ごす毎日が、いつの間にか……楽しいものとなってたんだ。