イジワルするのはキミ限定*
「……ふえっ」
私、バカだなぁ……。
突き放されて、気がつくなんて。
絶対、こんなことないって思ってたのに……。
みんなには“王子様”なんて呼ばれている水沢くんは、本当は“王様”みたいな人で。
お弁当を作ってこいなんて命令してくるし、
ラブレターのお返事は自分で書かないし……。
めちゃくちゃで、俺様で腹黒くて……。
……でも、私が捻挫したときはすぐに私を保健室に連れてってくれて。
ヤケドしたときだって、心配したくれた。
本当は、優しくていい人なんだ、水沢くんは。
一緒にいたときは、気づかなかった。
本当、バカだよ私……。
――私は……水沢くんのことが、好きなんだ。