イジワルするのはキミ限定*
「どうしたの?柚子。具合悪い?」
「……う、ううん!ちがうよ!」
するとサアヤちゃんが心配そうな声でそう言ってきて、私はとっさに顔を上げる。
「本当に?だいじょうぶ?」
「うん、本当、なにもないから!」
だいじょうぶ、と言いながら私は笑顔を作った。
……ーーと、そのとき。
「えーっと、これじゃいつまでたっても白雪姫役が決まんないから……女子全員でアミダくじで白雪姫役を決めるってのはどう?あと、まだ決まってない小人の3人と、魔女の役も含めてさ」
少し遠慮がちに塚本くんが女子全員に向けてそう言った。