イジワルするのはキミ限定*
「はい、次野上さん。ここは、魔女に毒リンゴをもらって食べて白雪姫は苦しむところだから、その表現大事にして」
「は、はい!……『まぁ、なんて美味しそうなリンゴ。おばあさん、ひとついただいてもいいですか?』」
「『もちろん。……さぁ、どうぞ』」
魔女役の中村さんからリンゴを受け取る仕草をして、それを口のほうへと持っていく。
それを口にした白雪姫は、苦しそうに顔をゆがませ、喉元を抑えた。
「……うん!OK!だいじょうぶだったよ、中村さん、野上さん」
――ホッ
読み終わって大谷くんの反応をドキドキしながら待っていると、大谷くんがニコッと笑いながらグッと親指を立ててOKをもらえた。
よかったぁ……。