イジワルするのはキミ限定*
また私ってば水沢くんのことを……!!
あああ……と心の中でうなりながら頭を抱えた。
「野上さん?だいじょうぶ?」
「……え、う、うん。だいじょうぶ、です……」
すると大谷くんが心配そうな顔で私を見てきた。
「ならいいけど……。もし具合悪くなったら言ってね?」
「うん。ありがとう……」
ニコッと笑いながらお礼をいうと、大谷くんも答えるようにして笑ってくれた。
「柚子ー!ちょっと衣装ので採寸したいから、こっち来てー!」
すると、向こうでサアヤちゃんが呼ぶ声が聞こえてきたので私は返事をしてサアヤちゃんのもとへ向かった。
――文化祭まで、残り2週間と少し。