イジワルするのはキミ限定*
私は元気にうなずいた。
どうか、どうかいい方向にいきますように!!
「そっか、ならよかった!じゃあ、キスシーンはよろしくね、ふたりとも」
ギュッと目をつむって願っていると、大谷くんがホッとしたような声色でそう言った。
……え、き、キスシーン……?
返事をする前からなんの話をしていたのかわからなかったのに、今の大谷くんの言葉でさらになにがなんだかわからなくなった。
キスシーン、ってなんのこと?
たしかに台本にはキスシーンがあったけど、それはフリで問題ないはず……。
「まぁ、水沢くんからのほっぺにチューだったら断る人いないよね!」
「……ほ、ほっぺにチュー!?」