イジワルするのはキミ限定*
「あのー……水沢くん」
「んー?なに?」
呼びかけると肩元から水沢くんの声が聞こえてきた。
「ちょっと、そろそろ離れたほうがいいかなぁと思って……」
「なんで?」
「なんで、って……」
そりゃあ、恥ずかしいし……!!
今はふたりでソファに座っていて、水沢くんの脚の間に私が座っている。
もうこれが恥ずかしいのなんの……。
だからそろそろ離れないと、私の心臓が持たないと思って離れようと試みるけど。
水沢くんはキョトンとした声で「なんで?」と返してきた。
「僕とくっついてるの、イヤ?」
「っ……」
ま、またそんなこと言う……っ。
絶対こう言えば、私が大人しくなるって分かってるよ、水沢くん。
けど私だって恥ずかしさには耐えられない……っ。