イジワルするのはキミ限定*


いつも余裕な顔をして、私よりも何枚も上手な水沢くんが照れてる……。



それが分かった途端、なんだかうれしくなった。



「水沢くん、かわいすぎます……」



「このまま抱き潰してあげようか」



“かわいい”という言葉が気に入らなかったのか、そう言いながら抱きしめる強さを込めた水沢くん。



今はそんなセリフ言われても、かわいいだけだけど……。



また“かわいい”って言うと今度は本気でイジワルされそうだからやめておこう……。



けど、笑うくらいならいいよね……?



うれしくて、クスクスといつまでも笑続ける私。



「……ムカつく」



水沢くんがムッとした声でそう言ったと思ったら、水沢くんが後ろから顔を近づけてきて。



「ん……っ!」



水沢くんと目があった瞬間に唇を塞がれた。



少しだけ強引に、でも優しいキス。



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