イジワルするのはキミ限定*
「……――見ちゃったんだ?それ」
そう思った瞬間に、ドアのほうから声が聞こえてきて私はそっちに視線を移した。
「み、水沢くん、これ……」
カタカタと体を震わせながら雑誌のそのページを水沢くんに見せると、水沢くんはニコッと爽やかな笑みを見せてきた。
いや、ニコッじゃなくて……!!
「もしかして、ワザと冷たくしてたの……?」
おそるおそる尋ねてみると、次にニヤリと不敵な笑みを浮かべて……。
「せーかい。どう?僕の迫真の演技。ほんとにちょっと冷たくしたら、キミ、僕のこと好きって気づいちゃって」
サーッと体中の血の気が引いて行く。
ちょ、ちょっと冷たく……?
あれが……?
ちょっとどころか、私的には“かなり”だったんだけど……!!
「……じゃ、じゃあの召使いから解放してあげるって言ったときの、『次また誤解されたらみんなに信じてもらえない』っていうのはっ?」