イジワルするのはキミ限定*


告白した日に聞こうと思っていたことを、今のタイミングで思い切って尋ねてみた。



すると水沢くんは「ああ……」と思い出したような素振りを見せた。



「あれは咄嗟についたウソ。だいたい、僕がどれだけ信頼されてると思ってるの?誤解されても僕が否定すればみんな信じるよ」



……そうだよ、今思えばたしかにそうだよ。



水沢くんの信頼度は半端ない。



だから誤解されても水沢くんが否定をすればみんな簡単に信じる。



……そんなの、少し考えれば分かってたことなのに。



私のバカ……。



というか、今までの全部演技って……。



あんなに悩んだのに私……。



あんなに悩んで泣いた自分がバカらしく思えてきて。



それと同時になんだか安心もして、私の体の力は一気に抜けてソファにボフッと沈んだ。



すると水沢くんがソファに座って、もう一度私を抱きしめてきた。



< 280 / 350 >

この作品をシェア

pagetop