イジワルするのはキミ限定*
――キーンコーンカーンコーン……
「今日の授業はここまで。来週小テストするから、今日やったとこ復習しておけー」
そんな先生の言葉で、世界史の授業が終わり、私は小テストの部分に付箋をはって教科書をとじた。
来週小テストか……。
少し勉強しないと。
……さて、小テストのことは置いておいてお弁当だ!
今日はハンバーグ入ってるんだよね。
水沢くん、喜んでくれるかな?
そう思いながら、私はカバンの中からお弁当ふたつを取り出そうとした。
そのとき。
「ユズコ」
となりから、聞き慣れた声が聞こえて、私はそちらに顔を向けた。
「どうしたの?汪爾くん」
首をかしげながら汪爾くんと目を合わせる。
汪爾くんは、なにかを迷っているような目で私を見ていた。