イジワルするのはキミ限定*
「あ、あの汪爾くん?どうしたの?」
「…………」
そして汪爾くんが足を止めたのは、校舎裏だった。
だけど、つかまれた腕はそのまま。
お昼休みで人気もなく、ここには私たちしかいない。
そんなに大事な話だったのかな……?
わざわざこんな人気のない場所に来たってことは……。
「汪爾くん?」
顔をのぞき込んで、もう一度呼びかけた。
――ダンッ
「え……っ!」
一瞬、いつになく真剣な顔をした汪爾くんと目が合ったと思ったら腕を引かれて……勢いよく校舎の壁と汪爾くんの間に閉じ込められた。
脚の間にはいつの間にか汪爾くんの片脚が入ってて、身動きとれないし……。