イジワルするのはキミ限定*
「俺、悔しかった。ソイツにお前のこと持ってかれて。けど……こんなやり方、間違ってたよな」
ごめん、と汪爾くんはもう一度謝罪をした。
「……俺、ユズコのこと好きだから」
「うん……」
「だから、ちゃんとフって。そんで、また友達に戻りたい」
お前がよければ……だけど、と少し自信なさげに言う汪爾くんを見て、思わず笑みがこぼれた。
いつも水沢くんみたいに、自信たっぷりなのに……。
「私、水沢くんが好きだから汪爾くんと付き合えないけど……。私も、汪爾くんとは友達でいたい、です……」
「……ん」
サンキュ、と小さく言った汪爾くんがスッと手を差し出してきて。
私は一旦水沢くんから離れてその手を握った。