イジワルするのはキミ限定*
バッと耳を塞ごうとしたところで、手を止めた。
「え、勉強?」
「うん。担任の先生直々に頼まれちゃってね。クラスメイトとして、困ったときは助け合わなくちゃ」
「そ、そうなんだ…」
納得したような声を出すサアヤちゃん。
「……ね、野上さん?」
サアヤちゃんが納得して水沢くんから視線を外した途端に、水沢くんはニヤリとブラックな笑みを見せてきた。
あ、悪……!
「そういうことだから、松田さん。野上さん借りるね。せっかくのお昼休みにごめんね」
「う、ううん。柚子!がんばってね!」
「う、うん……」
「行こうか、野上さん」