イジワルするのはキミ限定*
それがなにか、とでも言うような目で見られる。
「う、うれしいんだもん。作ったものをおいしい、って言ってもらえるの」
「…………」
人間、誰だって自分が一生懸命作ったものを褒められたりすると、うれしくなるもの。
自然現象、だよ。
「だから、ちょっとうれしくて。顔が赤いのもそのせい――……水沢くん?」
「……なに」
「あの、水沢くんもなんだか顔が……」
「それ以上言ったら、キミのヒミツばらすよ」
「は、はい!」
水沢くんのひと言で、それ以上なにも言えなくなってしまった私。
私は口をチャックにして、目の前の水沢くんをマジマジと見た。