イジワルするのはキミ限定*


「……で、できた!」



それから約1時間。



悩んで悩んで書いた手紙は……




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校條さんへ

手紙ありがとう。
すごくうれしかったです。

でも、校條さんの気持ちには答えられません。

本当に、ごめんなさい。


水沢 佳人より

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という、シンプルなものにした。



なんだか返事まで気持ちを込めちゃうと、悪い気がして。



「やっとできたか。それ、明日の朝、その人の靴箱に入れておいて」



「えっ、直接渡しにいかないの?」



「いいから。絶対に、靴箱の中にいれるんだよ」



真剣な瞳でそう言う水沢くんに、私は「うん」と渋々返事をした――……。




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