イジワルするのはキミ限定*
「先生、これ体育祭のリレーの走順なんですけど…」
職員室にいる体育の先生に紙を提出した。
「おっ、ごくろうさん。今日はもう帰っていいぞ」
「はい!失礼します!」
職員室を出て、とりあえず今日の仕事は終わってひと息つく。
これからカバン取りに教室行かなくちゃだ。
ついでにカバンもって職員室行けばよかったな、なんて思いながら教室へ向かおうとしたとき。
「ちょっとキミ、どこ行くの?」
「え……水沢くん?」
職員室のドアの横には水沢くんの姿があった。
水沢くんがいたの、全然気が付かなかった……。
というか、いまから水沢くんがいた反対方向に進もうとしていたから気づかないのも無理ないんだけどね。