イジワルするのはキミ限定*


どうして水沢くんがここに?



「水沢くんどうしたの?」



もう帰っちゃったかと思ったよ…。



首をかしげながら尋ねると水沢くんは「ハァ」とわざとらしくため息をついた。



「キミ、カバン置いて行ったでしょ」



そこで水沢くんの手にふたつカバンが持たれていることに気がついた。



ひとつはなにもついていないカバン。



もうひとつはハートのストラップのついているカバン。



それは間違いなく私のものだった。



「私、いまからカバン取りに教室へ行こうと……」



「あっそ。そんなことどうでもいいから。ほら」



「わっ」



カバンを少し雑に持たされた。




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