イジワルするのはキミ限定*


「キミんち、どっち?」



「え……旭ヶ丘町……」



そんなこと聞いて、一体どうしたのかな?



そう思っていると水沢くんが歩き出した。



あ、帰るんだ。



バイバイくらい言わないと。



そう思って手を振る準備をしたあたし。




「……なにしてるの?」



「え?」



とつぜん、水沢くんが体を反転させて私の方へ振り向いた。



なにしてるの?って……?



「帰らないの?」



「か、帰るけど……」



「じゃあはやくしなよ。帰るんでしょ?」



「う、うん……」



若干戸惑いつつも水沢くんの隣まで行った。




< 92 / 350 >

この作品をシェア

pagetop