イジワルするのはキミ限定*


そしてビクビクしながら水沢くんと私の家へ。



「私の家、ここなんだ。きょ、今日はありがとう…」



「そうあからさまにビクビクされると、心くすぐられてもっとイジメたくなるからやめなよ」



クスッと笑う水沢くんに冗談抜きでおびえる私。



ビクビクされるとイジメたくなるって…!



根っからのドSじゃないですか!!



「あ、あの本当にありがとう…。そ、それじゃあ!水沢くん、気をつけてね」



「うん。はやく中入りなよ」



「い、いえ。水沢くんの見送りを…」



「いいから入りなって。家の前だからって油断してると危ないよ」



いまの声にさっきみたいな冗談じみたことはまじっていない。



本気で心配してくれてるんだ…。



「あ、ありがとう!それじゃあ…バイバイ」



「じゃあね」



私は水沢くんに軽く手を振って家の中へと入った――……。



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