『武士ドルが斬る!?』
〈後編〉
「なんでござりますかっ!!
騒々しい!!
私達匿わられている身の上なんですから…大声を張り上げるのはおやめ下さい!!」
ソロソロと…着物姿で現れたのは…私が知っている…実は男の子の方の濃君だった。
「お主が近くにいるかわからぬから仕方あるまい!!」
相変わらず悪びれた笑いを浮かべた殿を睨みつけた彼…(彼女?)は…私の近くへと静かに足を運び私の横に座った。
「…驚かせてしまって申し訳ありませぬ。
実は…今…生駒の姉さまの体を支えているそのお方が…本物の濃姫様でござりまする。」
「えっ!?
えっ!?」
驚きのあまり二人を何度も見返し頭を抱え込む。
「えっ――――!!
ど…どーゆう事??」
突然の事に大混乱!!
だって―!!
だって―!!
濃姫が二人今…目の前にいるって事は…一体ここは何処なの―――?
どーなってるの?…
「…以前…お話ししたかもしれませぬが…殿と帰蝶殿の婚姻が決まり織田家に輿入れする際…私が入れ替わりってお話いたしましたでしょう…?」
冷静に淡々と話す濃君に私は以前…濃姫として入れ替わり殿のとこに嫁いで殿の命を狙ったにも関わらずそのまま濃姫として過ごすようにと言われた話を思い出し頷いた。