『武士ドルが斬る!?』
〈後編〉
「じゃあ…。
もしかして…。」
私は首だけを体を支える女性に向けると強気な笑顔で目を細めた。
「ええ………。
私がもう一人の…濃と申します。
別名…帰蝶…。
こちらでは…類…と申します。」
「類…?」
3つの名前が…ってそここだわるとこ違うか…?って一人で内心…ボケてツッコミをしながら…始めて聞いたにも関わらずどこか懐かしい響きに心を打たれた。
「ええ…そうです…。
まあ…もとはあなたの忍び名だったんですけどね。」
「わ…私の…?
し…し…忍び名!!」
とんでもない事実に…私は思わず声をあげ二人の濃姫から口を塞がれた。
「お静かにお願いします。
あなた様がまだ吉乃様としてこの時代に生きておられた頃…彼が私の変わりに濃姫として織田家に乗り込み殿を暗殺しようと企てた事をしり私は殿があなた様の所に通っている噂を聞きつけ先回りし私の手で殿を暗殺しようとしましたが…未遂に終わった私をお助け下さったのは吉乃さま…あなた様です。
その日から…美濃に帰ることも出来ない私をここで匿い…類という忍び名で守って下さった。 」