月下の誓約

 15.謎々の答



 翌日、寝不足で鈍く痛む頭を抱えながら、和成は公務に復帰した。
 動いている間はいいが、座って考えていたり、油断すると意識を持って行かれそうになる。

 結局、眠ろうと思えば思うほど目が冴えて、ようやく眠りについたのが明け方近かったからだ。

 こんな事になるなら、塔矢の言葉に甘えて、もう一日休ませてもらえばよかったと後悔した。

 ようやく昼休みの鐘が鳴り、早々に昼食を済ませた和成は、仮眠を取るため自室に戻った。
 こんな時、城内に居室があるのはありがたく思う。

 部屋について椅子に座り、机に突っ伏した途端、懐の電話が鳴った。


『よぉ。死に損なったってな』


 右近の呑気な声が聞こえる。


「もう、砦まで情報が流れてるのか」

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