月下の誓約


 そう言っただけで右近は黙った。
 少し待ったが応答がないので促してみる。


「何?」

『なぁ、おまえ。それ自分で考えろって塔矢殿に言われなかったか?』


 ギクリとして和成は息を飲んだ。
 塔矢が先回りして右近に手を回したのだろうか。

 しかし、たかが謎々でそこまでするとは思えない。


「なんでわかるんだよ」

『だって、おまえがそんな事聞くの変だし。じゃ、誰かに言われたのかなって。ってことは塔矢殿あたりかな。おまえ、交友関係狭いし。そんで答えを知らないって事は自分で考えろっていわれたんじゃないかと。で? 紗也様に抱きつかれたのか?』


 おもしろそうに問いかける右近の声に、和成は益々うろたえる。

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