月下の誓約
「考えたけどわかんないから訊いてるんだろ?」
『じゃ、手がかりだけ教えてやる。相手に違いがあるんじゃなくて、おまえの気持ちに違いがあるんだ。もうわかっただろ』
和成は首をひねる。
「益々わかんね」
考えもしないで答える和成に、右近は苛々したようにわめいた。
『あーっもう! 俺が教えたって言うなよ。相手がおまえにとって恋愛対象になるかどうかの違いだ』
しばらく絶句した後、和成はポツリとつぶやく。
「もしかして俺、塔矢殿にカマかけられたのかな」