月下の誓約
「慎平、命令組むの得意だって言ってたよな。これ、昔私が試験用に作った情報復旧の命令なんだけど、使えそうか見てもらえるかな」
「和成殿が作った命令を拝見できるなんて光栄です」
目を輝かせる慎平に、和成は苦笑する。
「いや、”拝見”するような大層なものじゃないから。試験用に作ったその場しのぎの命令だから注釈もなくて読みづらいだろうし」
そう言った後、未だに目をキラキラさせている慎平を見て、ひとつため息をついた。
「なぁ、もう少しくだけてもらえないかな? 今度一緒に飲みに行くことだし」
慎平は困惑した表情で首をすくめる。
「はぁ。ですが私は和成殿を尊敬してますし……」