月下の誓約
「そういえば和成殿は第一部隊でしたっけ。新兵の配属が滅多にないんでしたね」
「そうそう。城内には年下もいるけど、タメ口きけるほど親しい人っていないし。慎平にタメ口きけるなら俺も気楽なんだけどな」
慎平がようやく納得して、笑いながら頷く。
「わかります、それ。私も一番下っ端なので。わかりました。失礼にならない程度に私もくだけさせていただきます」
まだ少し固いなと思いながらも、和成もホッとして再び画面を指差した。
「じゃ、その命令”拝見”しなくていいから普通に見といて。使えそうだったら好きに改造していいから」
「わかりました」
慎平が返事をして席に着くと、和成は彼に渡された用紙を振って出口へ向かった。
「俺、ちょっと行ってくるから」
そう言って電算室を後にした。