月下の誓約


 慎平が不思議そうに尋ねた。


「どうして恋愛する気ないんですか? 和成殿の年齢だと親が嫁もらえってうるさくないですか? 私の兄なんか集中攻撃に合ってて家に寄りつかないくらいです」

「うるさいけどね。どうしてって言われても今はその気がないとしか答えようがない」


 まさか紗也の事が吹っ切れてないからとは言えない。


「そろそろ仕事に戻ろう」


 そう言って和成は、慎平の背中を軽く叩いた。

< 231 / 623 >

この作品をシェア

pagetop