月下の誓約
和成は大きくため息をつく。
「敵がもし、女性部隊や女性軍師だったら私は太刀打ちできませんよ。動きが読めません」
それを聞いて、塔矢が思い出したように手を打った。
「そういえば、おまえが捕らえた間者が言ってたらしいぞ。おまえに自分のとこの軍師が剣ができないことを見抜かれて驚いたって」
そして、芝居がかった口調で続ける。
「少年とは思えぬその洞察力、さすが天才軍師と言われるだけの事はある。だとさ」
「やめて下さいよ。言葉尻を捕らえて挑発しただけです。こっちから斬りかかるより、向かって来る方が倒しやすいから。あの人、結局私を少年だと決めつけてるんですね」
「あそこはどうやら女軍師らしいぞ」