月下の誓約
8.戦場での心得
昼食を終えた後、和成が再び電算室に戻ると、慎平が声をかけてきた。
「和成殿、お願いがあります。いつでもいいんですけど、近い内に手合わせ願えませんか?」
「いいけど。同じ部隊の奴の方が時間の都合が付きやすいんじゃないか?」
「真剣でお願いしたいんです。私がへっぽこなんで、相手は腕の立つ方でないと危険ですから」
「あぁ、真剣か」
剣は苦手だと言っていた慎平も、一応軍人として鍛錬は行っているようだ。
和成は腕を組んで、周りを見回しながら言う。
「そう言えば、情報処理部隊って実戦で刀振るったことのある者がほとんどいないって聞いたな」
「そうなんですか?」