月下の誓約


「ねぇ、塔矢。いいよね?」


 塔矢は紗也を見ながら微笑んで答える。


「かまいませんよ。少しの時間でしたら」
「やった!」


 紗也は喜んで両手を挙げた。

 塔矢が反対するものと思っていた和成は、驚いて塔矢に尋ねる。


「いいんですか?!」


 平然とした様子で、塔矢はしれっと言い放った。


「おまえが一緒なら安全面で問題はないだろう。それに俺は基本的に紗也様には甘いんだ」

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