月下の誓約
和成は目を細くして、呆れたように塔矢を見ながらイヤミを言ってみる。
「私のような中途半端な虫が、大事なお嬢様と城下の繁華街へご一緒してもよろしいんでしょうか? お父上殿」
眉をひそめて、塔矢はきっちり釘を刺した。
「何を言ってる。紗也様はともかく、おまえは遊びに行くわけじゃないんだ」
和成は諦めて渋々返事をする。
「わかってますよ」
横から紗也が不思議そうに尋ねた。
「中途半端って何のこと?」
「男同士の話です」