月下の誓約
和成は思いきり顔をしかめて、塔矢を見据える。
「し・て・ま・せ・ん」
それを聞いた塔矢は、安心したように大きくため息をつくと、和成の隣に椅子を持ってきて座った。
「いったい何があったんだか説明しろ。専用回線の呼び出しは何だったんだ?」
和成はここに至るまでの経緯を説明し、懐から怪文書を取り出し塔矢に渡す。
「これの真偽についてはすぐに調べさせる。ちょっと待ってろ」
そう言って塔矢は、怪文書を持って一旦部屋を出ていった。
しばらくして戻ってきた塔矢は再び和成の隣に座る。
「で? おまえ、好きだとか何か告白めいた事を言ったのか?」
「言ってません」