月下の誓約


「何を確かめようとなさってたんですか?」


 改めて理由を尋ねるも、紗也は笑ってごまかした。


「内緒。でも、だいたいわかったから今日で終わりにする」


 和成がやっと平静を取り戻しかけた頃、紗也が和成にひざを向けた。
 そして身を乗り出しながら真顔で尋ねる。


「もうひとつ確かめたい事があるんだけど、いい?」
「なんでしょう」


 和成が不思議そうに紗也を見ると、紗也は真顔のまま言い放った。


「私を抱いてくれる?」
「はい?!」


 思わずのけぞって、頭のてっぺんから声が出た。

 先程よりも三倍の早さで鼓動が早鐘を打つ。
 いったい何を言い出すのかと問いかけようにも頭は混乱し、身体は硬直して言葉が出てこない。

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