月下の誓約
「笑ってタメ口きいてるとこを見られたりするからじゃないの?」
「見られた時は右近と一緒だったんですよ。右近とは昔から笑ってタメ口きいてますし」
和成がうろたえながら言い訳をしていると、再び塔矢が横から口を挟んだ。
「俺も似たような事を聞いたぞ。おまえが以前に比べて人当たりが機械的じゃなくなったって」
「えぇ?! 別に何か変わったつもりありませんけど?!」
すっかり混乱して頭をかかえる和成を見て、塔矢は少し笑みを浮かべる。
「人形から人間に近付いてるって事じゃないか?」
「よくわかりませんけど、そうなんですか?」
和成が塔矢と視線を交わしていると、紗也が苛々したように机を叩いた。