月下の誓約
「もう! また男同士の話してる! とにかくこれ以上女官たちに和成の秘密を知られたくないのよ。だから、雪祭りの和成は私が独占するの!」
それを聞いて、塔矢が不思議そうに尋ねる。
「おまえの秘密ってなんだ?」
苦笑しながら和成は答えた。
「笑顔やタメ口だそうです」
「そういうのも秘密になるなら、俺はおまえの秘密で一冊本が書けるぞ」
声を上げて笑う塔矢に、紗也が笑顔でねだる。
「塔矢、今度こっそり教えて」
「教えないで下さい」
塔矢が返事をする前に和成が遮った。
特に初陣の時の話など絶対に知られたくない。