月下の誓約


「和成、控えろ。俺は見慣れてるからいいが、皆の心臓に悪い」


 塔矢に言われて和成は改めて周りを見回し、不安げな目で注目を浴びている事に気づき俯いた。


「すみません。つい……」


 二人の口げんかが収まったのを見届けて、秋月が採決を取る。


「では、和成殿に配慮して、次点の”城の縮小模型”でいいですね」


 誰も異議を唱えないので雪像案は決定した。

 唯一紗也が不満げに頬をふくらませる。
 だがすぐに隣の秋月へ笑顔を向けた。


「ま、いっか。城の模型でも。作るの楽しそう。やっぱり私も手伝うね」


 秋月は困惑した表情で「恐縮です」と答え、軍議を進める。

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