月下の誓約


「何か策はないか?」


 別の隊員が和成に問いかけた。


「策ですか? ちょっと奇襲っぽいのならありますけど」


 和成がそう言うと、塔矢隊の面々は少年のように目を輝かせて、和成の周りに一斉に集まる。


「よし、それでいこう。説明しろよ」

「内容は説明しません。とにかく、私の合図と同時に言われた通りに何も考えずに行動して下さい。一瞬のためらいが失敗につながります。ためらわないで下さい。それだけです」


 隊員たちは訳がわからず、困惑した表情で顔を見合わせた。

< 435 / 623 >

この作品をシェア

pagetop