月下の誓約


 その後は総務部長の監視の下、雪像作りは日没間際まで行われ、紗也も最後まで真面目に作業を手伝った。

 作業を終えて共に城に戻りながら、和成は紗也に尋ねる。


「お疲れではございませんか?」


 紗也は笑顔で和成を見上げた。


「ううん。楽しかった。明日また続きやりたい」


 和成は苦笑して問い返す。


「それって、雪合戦の?」

「雪合戦も。今度こそ和成に勝ちたい」

「申し訳ありませんが、明日はご一緒いたしかねます。明日、塔矢隊は国境の見回り当番です。私も塔矢殿も城にはおりませんので」

< 441 / 623 >

この作品をシェア

pagetop