月下の誓約


 いい加減、通常業務に支障を来すようになったので、和成の担当は男性看護師となり、個室に隔離される事になったのだ。

 和成は目を伏せて思わずため息をつく。


「寝てる間に見せ物になっていたんですか」

「医局のお嬢さん方はおまえとは面識がないからな。この花の大半はそのお嬢さん方も含めた城内の女性陣からの見舞いだ。相変わらずモテモテだな」


 からかう塔矢に和成は苦笑する。


「お見舞い返しが大変そうですね」
「第一部隊からの見舞いはコレだ」


 塔矢は懐から封筒を取り出し和成に渡した。
 和成は受け取った封筒を開け、中身を確認する。
 それは城下にある焼肉店の無料招待券と割引券だった。

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