月下の誓約
これにより灘元浦部同盟軍の要求も聞けなくなる。
事実上、要求を拒否したも同じだ。
近々宣戦布告されるだろう。
杉森国内、特に城内は今までにない大きな戦の予感に、にわかに慌ただしくなった。
意外な事に、今まで他国が協力して戦うという事は一度もなかったのだ。
杉森国以外は皆大国なので手を組めば杉森のような小国はひとたまりもない事くらい容易に想像がつきそうなものだが、周りの国々は皆お互いに大変仲が悪い。
何につけても互いに一歩も譲ろうとしないので、それぞれの主張はいつも平行線で交わる事がない。
今回、灘元国と浦部国がどんな協定を結んで同盟したのかは謎だが、同盟自体ある意味奇跡に近い事なのだ。
とりあえずは情報を確認し合う事で軍議は終了した。
夕方にもう一度集まって具体策を検討する事になる。
和成はそれまでにある程度の戦略を練っておかなければならなくなった。