月下の誓約


「私も私の決意をあなたにお伝えしたくて参りました」


 紗也は黙って和成を見つめた。


「私はあなたのご意思と私自身の想いに従う所存です。たとえ塔矢殿や他の重臣方がどう言おうと、もう迷わないと決めました。私にあなたをお助けして国を支えていくだけの力があるかどうかはわかりませんが、少しでもあなたの重荷を軽くして差し上げたいと存じます」

「うん。ありがとう」


 紗也も和成の方へひざを向けると、微笑んで和成の右手を握る。
 紗也の手に左手を乗せて、和成は真顔で告げた。


「戦が終わったら、私と結婚していただけませんか?」
「え?」


 紗也は驚いたように目を見開いて和成を見つめる。
 その様子に和成は少し苦笑した。

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